Japanese
English
臨床経験
ハンググライダーによる両側肩関節同時前方脱臼の1例
Bilateral Simultaneous Anterior Dislocation of the Shoulders during Hanggliding : A Case Report
冨田 文久
1,2
,
遠山 晴一
1
Fumihisa Tomita
1,2
1倶知安厚生病院整形外科
2国立療養所札幌南病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kuchan Kousei Hospital
キーワード:
hangglider
,
ハンググライダー
,
bilateral simultaneous dislocation of shoulders
,
両側肩関節同時脱臼
,
sports injury
,
スポーツ外傷
Keyword:
hangglider
,
ハンググライダー
,
bilateral simultaneous dislocation of shoulders
,
両側肩関節同時脱臼
,
sports injury
,
スポーツ外傷
pp.975-978
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901979
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抄録:両側肩関節同時脱臼は稀な脱臼とされ,過去に幾つかの報告があるのみである.一方,ハンググライダー外傷において肩関節脱臼の報告はみられるが,両側同時脱臼の報告は筆者らが渉猟し得た限りではみられない.今回,ハンググライダーにより生じた両側肩関節同時前方脱臼の1例を経験した.症例は36歳,男性でハンググライダーの飛行中,着陸時に失速し5mの高さより前方へ墜落し受傷した.初診時単純X線写真で両上腕骨大結節骨折を伴った両側肩関節前方脱臼が認められた.直ちに整復したが,右肩関節は単純X線写真,単純CTにて大結節部の骨折片の外側転位が認められ,観血的骨接合術を行った.本脱臼の受傷機転は肘関節が屈曲位,肩関節が外転外旋位で,衝突時に両肩同時に外旋強制されたことが考えられた.本脱臼発生には,ハンググライダー特有の着陸時の飛行姿勢と,機体が回旋せずに衝突したという偶然性が重なり生じたものと推察された.
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