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臨床経験
乾燥同種大腿筋膜による補強を併用した陳旧性アキレス腱断裂再建術の1例
Reconstruction of Neglected Rupture of Achilles Tendon with Dehydrated Human Fascia Lata : A Case Report
中村 吉秀
1,2
,
末綱 太
1
,
戸館 克彦
1
,
油川 修一
1
,
三浦 和知
1
,
任 幹夫
1
Yoshihide Nakamura
1,2
1八戸市立市民病院整形外科
2三戸町立中央病院整形外科
1Deparment of Orthopaedic Surgery, Hachinohe City Hospital
キーワード:
乾燥同種大腿筋膜
,
dehydrated human fascia lata
,
陳旧性アキレス腱断裂
,
neglected rupture of Achilles tendon
Keyword:
乾燥同種大腿筋膜
,
dehydrated human fascia lata
,
陳旧性アキレス腱断裂
,
neglected rupture of Achilles tendon
pp.1335-1338
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901779
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抄録:症例は73歳,女性.1994(平成6)年2月22日,転倒受傷,同年4月7日,右アキレス腱部痛,歩行困難を訴え当科受診した.陳旧性アキレス腱断裂と診断し,4月18日全身麻酔下に腱再建術を行った.断裂部に約5cmの間隙を認めた.幅1cm,長さ8cmのフラップを起こし,乾燥同種大腿筋膜で,腱再建部を全周性に被覆した.10週目より装具除去し,T杖歩行にて退院した.術後9ヵ月では可動域良好,運動時痛,歩行時痛もなく,つま先立ちも可能であった.腱と皮下組織との癒着も認めない.アキレス腱断裂は退行変性が背景にある場合も多く,特に高齢者においては加齢変化は免れ得ない.今回,陳旧性断裂に対しフラップを起こし再建したが,その強度・容積ともに十分とはいい難かった.同種大腿筋膜は組織学的に自家組織への再構築が証明されており,自家組織の使用にあたっては,採取部の組織的,機能的欠損は免れ得ない.本例のような症例においては積極的に使用してよいものと考える.
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