特別企画 阪神・淡路大震災―災害医療における整形外科医の役割
阪神・淡路大震災から得た教訓―災害医学の立場から見た医療展開
太田 宗夫
1
Muneo Ohta
1
1大阪府立千里救命救急センター
1Osaka Prefectural Senri Critical Care Medical Center
pp.1238-1241
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901759
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●はじめに
散見する限り,阪神・淡路大震災における医療展開の全体的評価に高低を感ずる.すなわち,予期せぬ大災害だから止むを得なかった,医療者は最大限の努力を傾注した,等の限界論がある一方,より多くの人命を救えたはずだとする厳しい評価がある.
災害医学の立場としては,「救うことができたはずの死者数」という世界的な基準を適応しながらクールに評価する責任がある.この点については逐次調査が行われるが,その結果はともかくとしても,既に浮上している問題点を冷静に受け止め,次の災害に備えなければならない.そこで本稿では,当日から現場に入るとともに後方支援を実施した救急医の立場と,災害医学の立場から,本災害から得た教訓を述べ参考に供する.
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