Japanese
English
臨床経験
頚椎に発生した動脈瘤様骨嚢腫の1例
Aneurysmal Bone Cyst of the Cervical Spine : A Case Report
村田 英之
1
,
串田 一博
1
,
町田 晃
1
,
森田 信敏
1
,
井上 哲郎
1
Hideyuki Murata
1
1浜松医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
動脈瘤様骨嚢腫
,
bone cyst/aneurysmal
,
脊椎腫瘍
,
spinal neoplasms
,
頚椎
,
spine/cervical vertebrae
,
予後
,
prognosis
Keyword:
動脈瘤様骨嚢腫
,
bone cyst/aneurysmal
,
脊椎腫瘍
,
spinal neoplasms
,
頚椎
,
spine/cervical vertebrae
,
予後
,
prognosis
pp.1113-1116
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901731
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抄録:症例は14歳,男性.誘因なく右頚部から上腕の痔痛が出現し受診した.右斜頚位をとり,神経学的には上腕三頭筋の軽度筋力低下以外異常はなかった.頚椎X線像では,第6頚椎の圧潰,融解性変化,右椎弓根の消失がみられた.CTでは椎体内部は空洞化し,椎体の右前方に膨隆性嚢腫が,右椎弓根と椎弓にc腫様変化がみられた.開放生検の2週間後,部分的腫瘍掻爬,圧潰部整復,腸骨を用いたC5-C7の前方固定を行った,術後7カ月時には骨化が現れ,2年半後には椎体内の空洞はほぼ消失し,3年の現在再発はない.
脊椎に発生した本腫瘍の手術療法は,全切除が難しい,固定法に難渋する,易出血性などの問題をもつ.自然治癒例や開放生検のみでの治癒例が少なくないこと,不完全切除での再発率は高いが,再発しても再手術にて多くが治癒することを考慮すると,本症に対しては,腫瘍の全切除にこだわることなく,まず掻爬や部分切除を行うべきと考える.
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