Japanese
English
臨床経験
動脈瘤様骨嚢腫に対する放射線治療の1例
A Case Report of Radiation Therapy for Aneurysmal Bone Cyst
波多野 希
1
,
前田 昌穂
1
,
木下 嚴太郎
1
,
高岩 均
1
,
塩田 誠
1
Nozomi Hatano
1
1兵庫医科大学整形外科学教室
1Hyogo College of Medicine, Department of Orthopedic Surgery
キーワード:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
放射線治療
,
radiation therapy
Keyword:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
放射線治療
,
radiation therapy
pp.1433-1437
発行日 1987年12月25日
Published Date 1987/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907750
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抄録:四肢長管骨に発生した動脈瘤様骨嚢腫に対しては,一般的に外科的治療が主体をなす.今回,外科的治療後1年を経て再発をきたし巨大病巣を呈した1例に対して,放射線治療を施行し良好な結果を得た.症例は8歳女児.単純X線写真では,脛骨遠位骨幹端にいわゆる"Blow out appearance"を認め,病的骨折も伴っていた.外科的治療では足関節及び骨端線機能を温存し得ないと判断し,病巣の鎮静化を目的に術前照射として少線量高エネルギー照射(Linac 10MV X-ray 500 rad)を施行した.以後急速に病巣の縮小を認めた為,保存的に経過を見たが1年6ヵ月後の現在,再発を認めず下肢機能に何等異常はない.良性腫瘍に対する放射線治療は,悪性変化例の報告も散見され慎重を要する.
今回の如く,少線量照射が奏功することは当初予想し得なかったが,本症例の経験を生かし,今後更に最少有効線量の検討を重ねる必要があると考える.
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