Japanese
English
臨床経験
MRIが有用であった膝蓋骨疲労骨折の1例
Stress Fracture of the Patella Effectively Diagnosed by MRI : A Case Report
廣瀬 隼
1
,
森澤 佳三
1
,
高木 克公
1
,
鬼木 泰博
2
,
山隈 維昭
2
,
津留 隆行
2
Jun Hirose
1
1熊本大学医学部整形外科教室
2リハビリテーションセンター・熊本回生会病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
疲労骨折
,
stress fracture
,
膝蓋骨
,
patella
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
Keyword:
疲労骨折
,
stress fracture
,
膝蓋骨
,
patella
,
MRI
,
magnetic resonance imaging
pp.743-746
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901660
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抄録:早期膝蓋骨疲労骨折の診断にMRIが有用であった1例を経験したので報告する.症例は18歳,男性,バスケットボール選手.左膝蓋骨前面痛を主訴に当科を受診した.初診時,局所の圧痛を認めたが,単純X線像では明らかな骨折線は認められなかった.7週後の再診時にMRI撮影を実施し,矢状断で膝蓋骨下極に,TI強調像,T2強調像でともに骨折を疑わせる所見が認められたので,スポーツ活動を中止させ保存的療法で症状の改善をみた.膝蓋骨疲労骨折のMRI所見の特徴は,T1,T2強調像ともに矢状断で,膝蓋骨下極に明瞭な線状の低信号域が認められ,骨折線周囲に骨髄内部の浮腫と考えられる変化がT1強調像で低信号,T2強調像で高信号を呈する.MRIは疲労骨折に特異的な所見を持ち,単純X線写真で異常を認めない場合や所見のはっきりしない場合,その鑑別診断に有用と思われる.
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