Japanese
English
臨床経験
膝蓋骨摘出術を行った高度の膝蓋大腿関節障害の1例
A Case Report of Severe Patellofemoral Osteoarthritis Caused by Habitual Dislocation of Patella
笹重 善朗
1
,
永田 義紀
1
,
村瀬 雅之
1
,
上田 久司
1
,
村尾 保
1
,
月板 和宏
1
,
大本 修
1
,
森川 健
1
,
重信 隆史
1
,
安達 長夫
1
,
越智 光夫
2
Yoshiaki Sasashige
1
1中国労災病院整形外科
2広島大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chugoku Rosai Hospital
キーワード:
膝蓋骨
,
patella
,
膝蓋大腿関節症
,
patellofemoral osteoarthritis
,
習慣性脱臼
,
habitual dislocation
,
膝蓋骨摘出術
,
patellectomy
,
膝伸展機構
,
extensor mechanism
Keyword:
膝蓋骨
,
patella
,
膝蓋大腿関節症
,
patellofemoral osteoarthritis
,
習慣性脱臼
,
habitual dislocation
,
膝蓋骨摘出術
,
patellectomy
,
膝伸展機構
,
extensor mechanism
pp.1049-1055
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900940
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抄録:習慣性膝蓋骨脱臼による高度の膝蓋大腿関節障害の1例に対して,膝蓋骨摘出術を行い良好な結果が得られたので報告した.症例は52歳の女性で,10数年来の左膝痛に対し近医で保存治療を受けていたが,膝痛の増悪がみられたため当科を受診した.初診時膝関節の可動制限は軽度であったが運動痛が著明であった.単純X線写真では脛骨大腿関節の変化は軽度で関節裂隙は保たれていたが,軸射像では膝蓋骨の脱臼ならびに大腿骨顆間溝に著明な骨増殖がみられ,膝蓋大腿関節裂隙は消失していた.疼痛の軽減を目的にextensor mechanismの再建が可能なMiyakawa法に準じて膝蓋骨摘出術を施行した.術後1年6カ月の現在,extension lagはほぼ消失し運動痛もみられない.
膝蓋骨摘出術は重度の軟骨損傷例に対して有効な治療法とされるが,膝蓋大腿関節障害が高度で,脛骨大腿関節が温存された習慣性脱臼例においても有効な一治療法と考える.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.