Japanese
English
臨床経験
骨膜下動脈瘤様骨嚢腫の2例
Two Cases of Subperiosteal Aneurysmal Bone Cyst
原 則行
1,2
,
山脇 慎也
1
,
姥山 勇二
1
,
井須 和男
1
,
山城 勝重
3
Noriyuki Hara
1,2
1国立札幌病院整形外科
2現:北海道大学医学部整形外科
3国立札幌病院病理部
1Department of Orthopaedic Surgery, National Sapporo Hospital
キーワード:
骨膜下動脈瘤様骨嚢腫
,
subperiosteal aneurysmal bone cyst
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
発達段階
,
phase of development
Keyword:
骨膜下動脈瘤様骨嚢腫
,
subperiosteal aneurysmal bone cyst
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
発達段階
,
phase of development
pp.729-732
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901657
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:大腿骨小転子下に発生した骨膜下動脈瘤様骨嚢腫(骨膜下ABC)の2例を経験した.症例は16歳男性と17歳女性である.2例ともX線上,大腿骨小転子下に骨殻で覆われた軟部陰影と骨皮質の浸食を認めた.CTでは骨皮質から軟部に突出した陰影の外縁を骨性の被殻が覆っていた.生検にてABCの診断を得て,手術を施行.2例とも骨膜下から腫瘤を切除した.被殼に覆われた腫瘤の大半は空洞であり,空洞内に凝血塊を認めた.組織学的には線維性組織からなる隔壁の中に血液を含んだ空隙が見られ,その隔壁の細胞に異形性はなく,部分的に巨細胞を混じえていた.
骨膜下ABCは長管骨の全ABCの10%以下の頻度であるとされている.X線上,初期の段階では骨膜の反応性骨形成が少なく骨皮質の破壊が強調されるため悪性腫瘍との鑑別が重要である.生検による確定診断が必要と考えられる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.