基礎知識/知ってるつもり
コッドマン三角
磯辺 靖
1
1東京医科歯科大学・整形外科
pp.632
発行日 1995年5月25日
Published Date 1995/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901635
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【診断】
骨腫瘍の授業に出席すれば,この言葉を聞かない医学生はまず.いまい.通常は骨肉腫のX線所見を解説する際に言及される.単純X線像ではsolidな三角形の硬化像を呈し,骨腫瘍の辺縁の骨皮質外側に隆起する.ただし,標本を切り出してみると,本病変はむしろテント状の三角形であることがわかる1).
本所見は骨肉腫に特異的ととられがちだが,実際にはchondrosarcoma,Ewing肉腫,fibro sarcomaなどの悪性骨腫瘍,骨巨細胞腫,孤立性骨嚢腫,動脈瘤様骨嚢腫などの良性骨腫瘍のほか,骨折,感染,血液疾患,代謝疾患などで見られることもある.したがって,このような所見を有する症例を取り扱う際には,切開生検や術中迅速病理の手順を考慮することが必要である.ちなみにparosteal osは骨膜を挙上しないのでコッドマン三角を欠く事を覚えておこう2,3).
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