連載 確認したいオリジナル・4
Scarpa三角(femoral triangle 大腿三角)の境界は?(その2)
鳥巣 岳彦
1
1九州労災病院
pp.357
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101029
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Antonio Scarpa(1752~1832)は偉大なイタリアの解剖学者兼外科医である.鼡径部のヘルニアに関する著書(1811年)“Memoriae anatomico-chirurgicae”にScarpa三角の記載があると聞き,天児民和先生の論文の挿図を拝借した(図3).Scarpaはこの部分のくぼみを自ら“Scarpa三角”と命名している.
幸い,Gray's Anatomyの1858年の初版本でScarpa三角の記載が確認できた.この時点では,“Scarpa三角とは鼡径靱帯と縫工筋と長内転筋で囲まれた三角形状のくぼみである”との大まかな表現となっている.femoral triangleという用語は見当たらない.
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