Japanese
English
臨床経験
L5単根障害を呈したL1-2椎間板ヘルニア
L1-2 Lumbar Disc Herniation with Sciatica and L5 Monoradiculopathy : A Case Report
松川 悟
1,2
,
白土 修
3
,
渋谷 全彦
1
Satoru Matsukawa
1,2
1倶知安厚生病院整形外科
2北海道大学医学部第2病理
3北海道大学医学部附属病院理学療法部
1Department of Orthopedic Surgery, Kutchan Kousei Hospital
キーワード:
坐骨神経痛
,
sciatica
,
第1-2腰椎椎間板ヘルニア
,
L1-2 lumbar disc herniation
Keyword:
坐骨神経痛
,
sciatica
,
第1-2腰椎椎間板ヘルニア
,
L1-2 lumbar disc herniation
pp.313-316
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901588
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:坐骨神経痛を主訴とし,神経学的にはL5単根性障害を呈した第1-2腰椎椎間板ヘルニアの稀な1例を経験した.67歳の女性で,急激に発症した左下腿外側痛で来院した.入院後,MRI,脊髄腔造影,CT-Myelography等の所見から,L1-2およびL5-S1外側椎間板ヘルニアが疑われた.L5単根性障害およびSLR陽性などの所見よりL5-S1外側ヘルニアの方が,より責任病巣の可能性が高いと判断しL5神経根除圧術を行った.しかし,症状の改善はなかった.2週後L1-2椎間板ヘルニアに対して前方よりヘルニア摘出と前方固定術を行い症状は全く消失した.この症例では脊髄末端がL2椎体下縁と通常よりも尾側にあり,L1-2レベルはほぼ脊髄円錐上部に相当し,またヘルニアは左側寄りではあるが,ほぼ正中に突出していた.このためL5髄節からL5神経根が分岐した付近で,ヘルニアによる圧迫が選択的に生じ,L5神経根症状が生じ,また上位腰髄神経根障害を呈さなかったのではないかと考える.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.