Japanese
English
論述
高齢者の腰部椎間板ヘルニアにおける坐骨神経痛発症についての考察
Mechanism of Sciatica in Elderly Patient with Lumbar Disc Herniation
細川 昌俊
1
,
横井 秋夫
1
,
西脇 祐司
1
,
太田 圭一
1
,
加藤 哲也
1
Masatoshi Hosokawa
1
1国立東京第二病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, The 2nd Tokyo National Hospital
キーワード:
incarcerated disc herniation
,
腰部椎間板嵌頓ヘルニア
,
sciatica
,
坐骨神経痛
,
elderly patient
,
高齢者
Keyword:
incarcerated disc herniation
,
腰部椎間板嵌頓ヘルニア
,
sciatica
,
坐骨神経痛
,
elderly patient
,
高齢者
pp.1007-1012
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901986
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抄録:腰部椎間板ヘルニアにおける坐骨神経痛の発症には,若年者では椎間板内圧の関与が大であろうが,高齢者においても同様であろうか.この問題を考察する目的で,本人の希望により手術した50例のヘルニアを年齢別に分けて検討した.結果は,全例脱出型であったが,29歳以下では大部分が髄核が後方に脱出して神経根を圧迫している症例で,加齢と共に椎体後面にまで脱出する症例が多くなり,特に60歳以上では全例線維輪が椎体後面に嵌頓し椎間孔出口附近で神経根を絞扼していた.以上の手術所見から,若年型ヘルニアは成書にもあるように,後方に脱出した髄核による神経根の直接圧迫が坐骨神経痛の主因で椎間板内圧が関与するであろうが,老年型ヘルニアでは椎間板内圧の関与よりは,線維輪が椎体後面に嵌頓し,椎弓根内側部で神経根を椎弓に押しつけることによる絞扼が主因と思われた.壮年型ヘルニアには両者の場合がみられた.
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