Japanese
English
論述
肩関節初回前方脱臼の二重CT関節造影所見について―反復性脱臼と比較して
Double-contrast CT Arthrography for the Initial Anterior Dislocation of the Shoulder
鈴木 克憲
1
,
三浪 明男
1
,
高原 政利
1
,
金田 清志
1
,
福田 公孝
2
,
高橋 修司
3
Katsunori Suzuki
1
1北海道大学医学部整形外科
2北海道社会保険総合病院整形外科
3札幌北楡病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
初回前方脱臼
,
initial anterior dislocation
,
二重CT関節造影
,
double-contrast CT arthrography
,
肩関負節
,
shoulder joint
Keyword:
初回前方脱臼
,
initial anterior dislocation
,
二重CT関節造影
,
double-contrast CT arthrography
,
肩関負節
,
shoulder joint
pp.979-983
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901441
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抄録:外傷性肩関節初回前方脱臼から反復性脱臼への移行は,受傷時年齢の関与が大きいといわれている.今回の目的は,初回脱臼例に対して二重CT関節造影を施行し,関節内病変を明らかにすることである.対象は,初回脱臼例33例33肩,平均年齢は32.5歳,反復性脱臼は,45例46肩,平均年齢は24.9歳であった.初回脱臼は,受傷時から2週間以内に関節造影を施行した.30歳未満の初回脱臼の84%(16/19)に前下方関節上腕靱帯―関節唇複合体の破綻すなわちBankart lesionを認めた.これらの所見は,反復性脱臼の所見と類似していた.30歳以上の初回脱臼においては,肩峰下滑液包への造影剤の漏出,大結節部の骨折が43%(6/14)に認められ,腱板や関節包自体の断裂の存在を示唆していた.Bankart lesionを認めた例は29%(4/14)であった.整復後の内転・内旋位固定では,Bankart lesionの修復は得られず,不安定性を生じると考えられた.
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