視座
整形外科的プライマリケア
大成 清一郎
1,2
1大成整形外科病院
2日本整形外科学会
pp.977
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901440
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第67回日整会学術集会は「生き甲斐を支える整形外科」をテーマとして開催され,高齢化社会における整形外科の社会的役割が強調された.これからは患者側に立って考える医療,患者に満足してもらえる医療,すなわち開かれた医療が重視される時代になったといえる.
近年,整形外科は多くの専門分野に細分化し,それぞれが独立の方向に向い,新しい学会や研究会が次々に発足し,その趨勢は収まりそうにない.整形外科そのものが解体しかねないようである.こうした状況の中で若い整形外科医はますます専門家志向に走らざるを得ないのではないかと心配でもある.しかしながら,整形外科医療の現場では広い範囲のcommon diseaseが多く,特に専門的知識を必要とする症例だけが必ずしも多くはない.偏った分野の専門知識だけでは多くの現場で十分に役立ってはいない.大学以外の医療機関ではそれぞれの専門家を揃えることは不可能であり,各種のプライマリケアに的確に対処できるオールラウンドプレイヤーとしての整形外科医を求めている.大多数の認定医は臨床医としてこの道を進んで行かざるを得ないことを認識すべきである.
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