Japanese
English
論述
上腕骨骨幹部骨折に対するKüntscher髄内釘固定法の検討―横止め螺子固定法の応用
Intramedurally Fixation of Humeral Shaft Fractures Using Küntscher's Nail; Interlocking Nailing
月坂 和宏
1,2
,
永田 義紀
1
,
村瀬 雅之
1
,
上田 久司
1
,
森川 健
1
,
大田 政史
1
,
安達 長夫
1
Kazuhiro Tsukisaka
1,2
1中国労災病院整形外科
2現:広島大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Chugoku Rosai Hospital
キーワード:
上腕骨骨幹部骨折
,
humeral shaft fracture
,
キュンチャー髄内釘
,
Küntscher's nail
,
横止め螺子固定
,
interlocking nailing
Keyword:
上腕骨骨幹部骨折
,
humeral shaft fracture
,
キュンチャー髄内釘
,
Küntscher's nail
,
横止め螺子固定
,
interlocking nailing
pp.879-887
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901421
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抄録:上腕骨骨幹部骨折の治療は,保存的治療で可能なことが多いが,横骨折ではその回旋不安定性のため偽関節になり易い.当科では観血的治療として,新鮮,陳旧例を問わず原則的にKüntscher髄内釘固定法を行っている.上腕骨骨幹部骨折に対して施行したKüntscher髄内釘固定法症例65例のうち追跡調査し得た63例について治療成績を検討した.63例中全例に最終的な骨癒合を得ていた.偽関節は9例に認め再手術を要したが,これらは後療法における回旋運動への配慮不足が原因であった.横止め螺子固定のない症例では44例中8例が偽関節となったが,併用例では19例中1例のみに減少した.髄内釘は原則として末梢側から刺入しているが,肘関節に軽度伸展制限を残す傾向にあったが,日常生活動作には支障なかった.上腕骨骨幹部骨折においてKüntscher髄内釘は,剪断力に対しては強いが回旋に対する固定が確実でないため,横止め螺子固定を併用することが肝要と考える.
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