Japanese
English
特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
脱出腰椎椎間板の組織学的検討―吸収過程の存在について
Histological and Immunohistochemical Analysis of Sequestrated Intervertebral Disc: The Presence of Absorptive Process
伊藤 拓緯
1
,
山田 光則
1
,
生田 房弘
1
,
福田 剛明
2
,
本間 隆夫
3
,
内山 政二
3
,
高橋 栄明
3
,
星 信一
4
,
河路 洋一
5
Takui Ito
1
1新潟大学脳研究所実験神経病理学部門
2新潟大学医学部第2病理学教室
3新潟大学医学部整形外科学教室
4水原郷病院整形外科
5新潟中央病院整形外科
1Department of Pathology, Brain Research Institute, Niigata University
キーワード:
椎間板ヘルニア
,
herniated disc
,
椎間板分離脱出
,
seques trated disc
,
吸収
,
absorption
,
マクロフアージ
,
macrophages
,
血管新生
,
neovascularization
Keyword:
椎間板ヘルニア
,
herniated disc
,
椎間板分離脱出
,
seques trated disc
,
吸収
,
absorption
,
マクロフアージ
,
macrophages
,
血管新生
,
neovascularization
pp.409-412
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901343
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抄録:sequestration typeの腰椎椎間板ヘルニアに対する生体反応を明らかにすることを目的に,手術時に摘出されたヘルニア組織を光顕ならびに免疫組織化学的に検索した.18例中16例のヘルニア組織の線維軟骨部の辺縁部に正常では存在しない多数の小血管が認められ,これらは椎間板が脱出した後に新生したものと考えられた.新生血管周囲には多数のマクロファージが存在し,さらに,通常の染色で線維芽細胞に見える細胞の多くも免疫組織化学的にマクロファージである可能性が示された.検索したいずれの例でも線維性瘢痕組織は認められなかった.以上から,脱出した椎間板は器質化されて線維性瘢痕になるのではなく主としてマクロファージにより吸収されるものと考えられた.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.