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特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)
椎間板ヘルニアのマトリックス分解におけるMMPの作用―MMPノックアウトマウスを用いた椎間板ヘルニアin vitroモデル
The Role of MMP in Herniated Disc Degradation
波呂 浩孝
1,2
,
Spengler DM
3
,
四宮 謙一
4
,
小森 博達
4
,
Matrisian LM
5
Hirotaka Haro
1,2
1東京医科歯科大学疾患遺伝子センター運動器分子変性部門
2東京医科歯科大学疾患遺伝子センター医学部整形外科
3Department of Orthopaedics and Rehabilitation, Vanderbilt University Medical Center
4東京医科歯科大学医学部整形外科
5Department of Cell Biology, Vanderbilt University Medical Center
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
キーワード:
Matrix Metalloproteinase
,
MMP
,
マトリックスメタロプロテアーゼ
,
herniated disc
,
椎間板
,
resorption
,
吸収
Keyword:
Matrix Metalloproteinase
,
MMP
,
マトリックスメタロプロテアーゼ
,
herniated disc
,
椎間板
,
resorption
,
吸収
pp.565-573
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902981
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抄録:椎間板ヘルニアの手術検体を用いた研究で,ヘルニア塊には炎症性細胞浸潤と新生血管の増生が認められ,浸潤したマクロファージと椎間板ヘルニア内の軟骨細胞がプロテオグリカンやコラーゲン分解に強い作用をもつマトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix Metalloproteinase;MMP)を強発現していることを確認した.外来性の浸潤マクロファージと椎間板内在の軟骨細胞の相互作用が,これらMMPの活性化に関与していると推測し,MMPの特異的作用について検討するため,MMP欠損マウスを用いたヘルニア急性期モデルを椎間板組織や軟骨細胞とマクロファージをコカルチュアーするvitroの系により作成した.
軟骨細胞とマクロファージのコカルチュアーではプロテオグリカン分解に強い作用をもつMMP-3(ストロムライシン)とMMP-7(マトリライシン)が強発現していた.このコカルチュアーサンプルはカセイン分解活性を有し,様々な酵素阻害剤を使ってこの活性がMMPによるものであることが判明した.さらに,MMP-7は椎間板内へのマクロファージ浸潤に,MMP-3はマクロファージ走化因子の遊離に関与している可能性が示唆された.
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