Japanese
English
臨床経験
CT及びMRIによる画像診断が有用であった梨状筋症候群の1例
The Effective Diagnosis of the Piriformis Syndrome by CT and MRI: A Case Report
保坂 泰介
1
,
四方 實彦
1
,
岡田 温
1
,
田口 保志
1
,
田中 千晶
1
,
多田 弘史
1
,
相馬 靖
1
,
古川 泰三
1
Taisuke Hosaka
1
1京都市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto City Hospital
キーワード:
梨状筋症候群
,
piriformis syndrome
,
コンピューター断層撮影
,
CT
,
磁気共鳴画像
,
MRI
,
坐骨神経痛
,
sciatica
Keyword:
梨状筋症候群
,
piriformis syndrome
,
コンピューター断層撮影
,
CT
,
磁気共鳴画像
,
MRI
,
坐骨神経痛
,
sciatica
pp.871-874
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900906
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抄録:今回我々は,CT及びMRIによる画像診断が有用であった梨状筋症候群の1例を経験したので報告する.症例は26歳の女性で,主訴は右下肢痛.坐骨神経刺激症状が著明なため,当初腰椎椎間板ヘルニアを疑い,脊髄腔造影,CTミエロ,腰椎MRI,腰椎椎間板造影,神経根造影等施行したが異常は見られなかった.右下肢内旋で,特に痛みが増強した.骨盤CT・MRIで,右側の梨状筋の肥厚を認めたため,梨状筋症候群と診断した.手術所見は,坐骨神経が中枢部で二分し,総腓骨神経部分が梨状筋と,その破格である腱性部の間を通過していた.この部で右下肢内旋時に総腓骨神経部分が強く圧迫されるのを認めた.腱性部を切除後,長期間存在していた坐骨神経痛は消失し,職場復帰可能となった.CT及びMRIによる画像診断は,従来,腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別に苦慮してきた梨状筋症候群の診断に対して,極めて有用であった.
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