Japanese
English
論述
非手術的治療が奏効した転移性脊椎腫瘍についての検討―麻痺を伴った症例を中心にして
Characteristic Findings in Patients with Metastatic Tumor of the Spine Successfully Treated by Non-Surgical Treatment
片桐 浩久
1
,
高橋 満
1
,
稲垣 治郎
2
,
後藤 達彦
2
,
長尾 清治
2
,
井元 明彦
2
,
伊藤 直也
2
,
後藤 忍
2
,
片岡 孝江
2
,
岩田 和久
2
Hirohisa Katagiri
1
1名古屋記念病院整形外科
2名古屋記念病院腫瘍科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya Memorial Hospital
キーワード:
悪性新生物
,
malignant neoplasm
,
脊椎転移
,
spinal metastasis
,
脊髄
,
spinal cord injury
,
治療
,
therapy
Keyword:
悪性新生物
,
malignant neoplasm
,
脊椎転移
,
spinal metastasis
,
脊髄
,
spinal cord injury
,
治療
,
therapy
pp.1111-1118
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901215
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抄録:1987年以降当院にて非手術的治療を行った転移性脊椎腫瘍73例のうち初診時Frankel type BまたはCの麻痺を認めた20例の臨床経過,画像所見について検討した.麻痺が改善した症例には4つの特徴が認められた.①病理組織学的には放射線療法,化学療法またホルモン療法に対する感受性が高い乳癌,前立腺癌,悪性リンパ腫であること,②単純X線像では骨破壊が軽度であり椎体骨折がないこと,③MRI,脊髄造影で脊髄圧迫の主体が硬膜外腔の腫瘍であること,および④神経圧迫症状を呈してから歩行不能の麻痺発症までの経過が長いが,麻痺発症後直ちに治療を開始していることである.この4条件を満たした症例については治療前後のMRIにより著明な除圧効果と神経学的改善が認められた.このため、これらの症例は手術的治療の適応は少ない.一方,脊髄の圧迫が椎体後壁によるものは非手術的治療に感受性が高い腫瘍でも効果不十分な症例があり,手術の適応と考える.
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