Japanese
English
臨床経験
胸骨骨破壊を初発症状としたホジキン病の1例
Hodgkin's Disease Presenting as a Primary Sternal Mass: Report of a Case
木下 知明
1
,
舘崎 慎一郎
1
,
熊谷 匡也
2
,
佐藤 哲造
1
,
六角 智之
1
,
山口 潔
1
,
高木 敏之
2
,
小松 悌介
3
,
守屋 秀繁
4
Tomoaki Kinoshita
1
1千葉県がんセンター整形外科
2千葉県がんセンター血液化学療法科
3千葉県がんセンター臨床病理部
4千葉大学整形外科
1Division of Orthopaedics, Chiba Cancer Center Hospital
キーワード:
ホジキン病
,
Hodgkin's disease
,
胸骨腫瘤
,
sternal mass
,
初発症状
,
initial presentation
Keyword:
ホジキン病
,
Hodgkin's disease
,
胸骨腫瘤
,
sternal mass
,
初発症状
,
initial presentation
pp.967-970
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901187
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抄録:前胸部腫瘤を伴う胸骨骨破壊を初発症状とした結節硬化型ホジキン病の1例を経験した.症例は33歳,男性.1991年12月,飲酒中に前胸部の不快感を自覚し同部の腫張に気付いた.抗生剤と抗炎症剤を服用するも軽快せず,徐々に腫脹が増大したため1992年4月当科を紹介された.初診時,胸骨角右側に鶏卵大の腫瘤がみられた.全身状態は良好で表在リンパ節は触れなかった.血液検査では炎症所見が著明であり,左腸骨骨髄生検では顆粒球過形成がみられた.断層X線像では胸骨柄に虫食い状の骨破壊がみられ,CT,MRIでは胸骨の前方と後方に骨外軟部病変がみられた.生検で悪性腫瘍が疑われたが,同年5月,右鎖骨上にリンパ節が触知されるようになり,同部の生検で結節硬化型ホジキン病と診断された.本症例では炎症性骨疾患との鑑別が困難であったが,炎症所見の強い骨破壊病変の診断には,ホジキン病を含めた悪性リンパ腫の存在が念頭におかれるべきである.
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