Japanese
English
臨床経験
遠位橈尺関節尺骨頭掌側脱臼の1例
Anterior Dislocation of the Ulnar Head: A Case Report
中島 三郎
1
,
沼田 亨
1
,
山内 達朗
1
,
二橋 宏嘉
1
,
峯苫 貴明
1
Saburo Nakashima
1
1水俣市立総合医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Minamata City General Hospital & Medical Center
キーワード:
遠位橈尺関節
,
distal radio-ulnar joint
,
尺骨頭
,
ulnar head
,
掌側脱臼
,
anterior dislocation
Keyword:
遠位橈尺関節
,
distal radio-ulnar joint
,
尺骨頭
,
ulnar head
,
掌側脱臼
,
anterior dislocation
pp.839-842
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901158
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抄録:遠位橈尺関節における尺骨頭掌側脱臼の1例を経験したので報告した.症例は47歳,男性,作業中約40kgのセメント袋を両手でかかえて運んでいて,道路脇の側溝に落ち転倒.左前腕回外位にて,左手関節背側の尺骨頭部分を,側溝の端に打った.初診時,左前腕は回外約45°に固定され回旋は全く不可能であった.X線では手関節の正面像で遠位橈尺関節部分に重なりがみられ,側面像で尺骨頭の掌側脱臼がみられた.骨折はなかった.直ちに徒手整復を行い,4週間のギプス固定の後,自動運動を開始し,良好な結果が得られた.
過去の報告では,受傷早期に正確な診断をつけられずに陳旧例となったものも多い.本疾患の存在を念頭におき,受傷早期に正確な診断,治療を行うことが重要である.
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