Japanese
English
臨床経験
尺骨頭掌側脱臼の2例
Volar Dislocation of the Ulna Head, Report of Two Cases
宮崎 誠司
1
,
宗定 伸
1
,
井上 博之
1
,
岡 義範
1
,
臼井 宏
2
Seiji Miyazaki
1
1東海大学医学部整形外科
2町谷原病院
1Department of Orthopedic Surgery, Tokai University School of Medicine
キーワード:
尺骨頭脱臼
,
ulnar head dislocation
,
掌側脱臼
,
volar dislocation
,
遠位橈尺関節
,
distal radioulnar joint
Keyword:
尺骨頭脱臼
,
ulnar head dislocation
,
掌側脱臼
,
volar dislocation
,
遠位橈尺関節
,
distal radioulnar joint
pp.325-328
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901591
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抄録:骨傷を伴わない尺骨頭掌側脱臼を2例経験したので報告する.症例1.19歳男性.ラグビー中前腕を回外強制され受傷.受傷日に単純X線,CTにて尺骨頭掌側脱臼と診断され徒手整復後6週間ギプス固定された.症例2.21歳男性交通事故にて受傷,受傷翌日に単純X線,CTにて尺骨頭掌側脱臼と診断され徒手整復後6週間ギプス固定された.両者とも数カ月の経過後も再脱臼を認めず経過は良好である.
尺骨頭掌側脱臼は比較的稀な外傷であり,骨傷を伴わないものはさらに少ない.臨床的にも,また単純X線でも骨傷がない場合や受傷時の肢位等により単純X線で正確な側面が撮影できず脱臼の診断が付かない場合がある。その場合確定診断にCTがきわめて有用で,遠位橈尺関節における脱臼,亜脱臼の早期診断が可能になる.尺骨頭掌側脱臼の2例を報告するとともに,早期診断におけるCTの有用性について報告した。
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