整形外科を育てた人達 第113回
John Ridlon(1852-1936)
天児 民和
1
1九州大学
pp.313-315
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901076
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整形外科はLyonのNicolas Andry(1658-1472)がOrthopaedieとして医学の新しい分科をつくり,英国のSir Robert Jonesが英国に導入した.日本では明治39年に東京大学に講座が出来て,田代義徳教授が開講して講座名を整形外科とした.やがて他の大学にも整形外科講座が出来たので,大正15年(1926)整形外科学会が成立して,田代教授が会長となり,翌昭和2年も田代教授が会長を勤めた.世界で米国が最初に整形外科学会を結成して1887年1月29日に開会した.欧州や日本では,外科の反対で,整形外科学会の独立は困難であった.米国は新しい国であったので,日本より39年前に外科の反対もなく,Dr. GibneyとDr. Shafferにより整形外科学会が独立した.Shafferの門下のRidlonは表面に出なかったが,陰ながら動いた.また,英国の整形外科を米国に導入する努力をして,英国整形外科の権威であったHugh Owen ThomasとThomasの従兄弟のSir Robert Jonesとも親しくしていた.このようなRidlonの功績も伏えたいので,その伝記を書くことに決めた.
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