人と業績・11
北里柴三郎(1852-1931年)
山本 俊一
1
1東京大学衛生学
pp.424-425
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206321
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北里柴三郎はあまりにも有名で,今更ご紹介する必要もないほどであるが,一部の読者はなぜ北里が公衆衛生に関係があるのか,あるいは怪しまれるかもしれない.しかし,北里が生きていた時代は,現代とは比較にならないほど伝染病対策が公衆衛生の上で大きな比重をもっており,偉大な細菌学者としての北里の存在を無視しては,当時のわが国の防疫を語ることはできないがあろう.
ところで,北里の活動は極めて広範囲にわたっているが,これについては彼の伝記1)をはじめ,その他にも文献が沢山あるので,この限られた紙数の中で北里の生涯にわたる多彩な活動を単に要約することはやめ,そのごく一部でしかないが,しかし衛生学の歴史という観点からは重要であると見られる部分,すなわち既にご紹介した緒方正規とのかかわり合いにスポット・ライトを当て,その人物像を浮かび上がらせてみたい.
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