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シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績
頸椎後縦靱帯骨化症に対する脊柱管拡大術(桐田-宮崎法)の手術成績―術後5年以上経過例について
Results of the Extensive Laminoplasty with Posterolateral Fusion to Cervical Myelopathy due to Ossification of Posterior Longitudinal Ligament: Minimum 5 Years Follow up
佐藤 栄修
1
,
金田 清志
1
,
白土 修
1
Shigenobu Satoh
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
頸椎後縦靱帯骨化症
,
ossification of posterior longitudinal ligament of cervical spine
,
広範同時椎弓切除術と後側方固定術
,
extensive laminoplasty with posterolateral fusion
Keyword:
頸椎後縦靱帯骨化症
,
ossification of posterior longitudinal ligament of cervical spine
,
広範同時椎弓切除術と後側方固定術
,
extensive laminoplasty with posterolateral fusion
pp.249-255
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900802
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抄録:頸椎後縦靱帯骨化症に対する脊柱管拡大術として,広範囲同時除圧式椎弓切除術(桐田法)から両側へ翻転した椎弓を切除せず残す桐田-宮崎法を1980年より施行して来た.術後5年以上経過した33例を臨床的,X線学的に調査し,本法の妥当性を検討した.日整会スコアは術前8.9±2.3点が術後平均6年1カ月の調査時の12.8±2.6点で,最終改善率(平林)は48.6±39.4%であり,上下肢運動機能を評価した治療成績評価区分(黒川)では,改善以上が84.8%とおおむね良好な成績が得られた.調査時症状の再悪化は5例に認めた.MRIを調査した3例では脊髄萎縮を認めた.頸椎可動域は術前より平均56%減少した.新たな椎間不安定性の出現はなく,側溝に骨移植した結果の後方椎間骨癒合は90%で得られた.22例(67%)で平均16.7゜前彎が減少していたが,10゜以上の高度な後彎変形は3例(9%)のみであった.本法は安全確実な除圧が可能で,簡便な固定術によりある程度の制動効果をもつ.laminectomy scar membraneによる硬膜柱への圧迫もなく,脊柱管拡大術の一法として採用され得るものと考えられた.
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