Japanese
English
論述
脂肪肉腫と悪性線維性組織球腫の臨床・病態の比較
A Clinical Study of Liposarcoma and Malignant Fibrous Histiocytoma
姥山 勇二
1
,
井須 和男
1
,
山脇 慎也
1
,
平賀 博明
1
Yuji Ubayama
1
1国立札幌病院整形外科
1A Department of Orthopedic Surgery Sapporo National Hospital
キーワード:
脂肪肉腫
,
liposarcoma
,
悪性線維性組織球腫
,
malignant fibrous histiocytoma
,
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
Keyword:
脂肪肉腫
,
liposarcoma
,
悪性線維性組織球腫
,
malignant fibrous histiocytoma
,
悪性軟部腫瘍
,
soft tissue sarcoma
pp.25-31
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900761
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抄録:脂肪肉腫70例,悪性線維性組織球腫(MFH)45例とから,その臨床像を分析した.発生年齢は50歳以上に好発することと,20歳以下に稀な点で共通する.両者とも好発部位は大腿だが,大腿の区域別発生頻度では相違をみる.その他脂肪肉腫は上肢に,MFHは殿部に特徴的に少ない.遠隔転移はMFHではその80%が肺に集中するが,脂肪肉腫では肺の他,肝,後腹膜にも同等に転移し死亡している.脂肪肉腫の3年,5年,10年生存率は89%,81%,75%,MFHのそれは79%,66%,53%でMFHの方が予後不良である.また1年以内の急激な経過をとる例がMFHにみられる.予後因子としては,脂肪肉腫では組織型,MFHでは局所再発が考えられた.最も発生頻度の高い脂肪肉腫の粘液型とMFHの通常型は,その組織構成因子も多彩であり,組織学的悪性度を判定する場合には,更に細分類した病理組織学的検討が必要な予後結果を示した.
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