Japanese
English
シンポジウム 骨肉腫の診断と治療のトピックス
骨肉腫の転移・基底膜浸潤について
Invasion of Osteogenic Sarcoma Cells through Basement Membranes
岩本 幸英
1
,
播广谷 勝三
1
Yukihide Iwamoto
1
1九州大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
osteogenic sarcoma
,
骨肉腫
,
basement membranes
,
基底膜
,
metastasis
,
転移
Keyword:
osteogenic sarcoma
,
骨肉腫
,
basement membranes
,
基底膜
,
metastasis
,
転移
pp.17-22
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908303
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抄録:基底膜浸潤は悪性腫瘍の転移における重要な一過程である.in vitro invasion assayを行ったところ,ヒト骨肉腫では,種々の細胞株および生検時に採取された初代培養の細胞が,すべて強い基底膜浸潤能を示した.腫瘍細胞は血管内皮細胞下の基底膜へ接着し,自己が産生する酵素を用いて基底膜を破壊し,標的臓器の実質方向に向けて基底膜内を運動する.基底膜の構成成分の機軸であるtype IV collagenの酵素的破壊にはtype IV collagenaseが関与しているが,その活性は,MMPs(matrix metallo proteinases)と,そのインヒビターであるTIMPs(tissue inhibitor of metalloproteinases)のバランスによって規定されている.plasminogen activatorも基底膜浸潤に関与している酵素であり,procollagenase IVからcollagenase IVへの活性化に役割を果たしていると考えられる.
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