Japanese
English
臨床経験
腸骨包虫症の1例
Echinococcosis of the Iliac Bone: A Case Report
佐藤 淳
1
,
原田 吉雄
1
,
竹光 義治
1
,
石川 裕司
2
Atsushi Sato
1
1旭川医科大学整形外科
2旭川医科大学第3内科
1Department of Orthopaedic Surgery, Asahikawa Medical College
キーワード:
包虫症
,
echinococcosis
,
腸骨
,
iliac bone
,
仙腸関節
,
sacroiliac joint
Keyword:
包虫症
,
echinococcosis
,
腸骨
,
iliac bone
,
仙腸関節
,
sacroiliac joint
pp.667-669
発行日 1991年5月25日
Published Date 1991/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900359
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抄録:包虫症(echinococcosis)は単包条虫あるいは多包条虫の幼虫がヒトに寄生することにより発症する寄生虫疾患である.本邦では多包条虫による多包虫症が主で,特に北海道に多い.主な寄生部位は肝で,骨に寄生することは極めて稀である.本邦で過去に報告された骨包虫症例は,我々が渉猟し得た範囲では3例にすぎず,いずれも脊椎に発生した症例で,すべて肝包虫症の既往を持っていた.我々は,肝包虫症の症状は全く無く,腸骨包虫症による右殿部痛を初発症状とした稀な1例を経験した.腸骨病巣を掻爬するも再発し,再々手術にて腸骨移植と仙腸関節固定術を行い,鞭虫駆虫薬Albendazoleとの併用で経過良好である.
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