Japanese
English
臨床経験
化膿性仙腸関節炎に続発したと思われる腰筋膿瘍の1例
A Case of Psoas Abscess from Pyogenic Arthritis of the Sacroiliac Joint
五十嵐 康美
1
,
遠藤 崇
1
,
小野 雄司
2
,
花山 寛隆
3
Yasumi Igarashi
1
1山本組合総合病院整形外科
2山本組合総合病院外科
3山本組合総合病院放射線科
1Department of Orthopedic Surgery, Yamamoto General Hospital
キーワード:
腰筋膿瘍
,
psoas abscess
,
CT
,
化膿性関節炎
,
pyogenic arthritis
,
股関節
,
hip joint
,
仙腸関節
,
sacroiliac joint
Keyword:
腰筋膿瘍
,
psoas abscess
,
CT
,
化膿性関節炎
,
pyogenic arthritis
,
股関節
,
hip joint
,
仙腸関節
,
sacroiliac joint
pp.337-340
発行日 1987年3月25日
Published Date 1987/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907584
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抄録:発熱と腰痛で発症し,強い炎症所見を伴って右股関節部の疼痛を示した50歳,女の糖尿病患者を化膿性股関節炎と診断した.切開排膿を目的として行った硬膜外麻酔に際し背部から膿が流出したため,CTを施行して腰筋膿瘍を確認した.腹膜外より排膿洗浄,ドレナージを行い,症状の改善をみた.膿よりStaphylococcus epidermidisを検出した.経過の観察にもCTが有用であった.X線写真とシンチグラムにより,感染は同側の化膿性仙腸関節炎から波及したものと推定された.腰筋膿瘍の診断はpsoas shadowの変化や,いわゆるpsoas signに留意すれば困難ではないが,整形外科の日常診療で遭遇することはかなりまれと思われ,多彩な症状を示すことから,本疾患が念頭になければ診断に困難を来すと予想される.このため腰痛,股関節痛の診療では本疾患を鑑別診断に加えることが重要と考えられた.
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