Japanese
English
臨床経験
成人型低リン血症性骨軟化症の1例
Hypophosphatemic Osteomalacia: An Adult Onset Case Report
西村 隆
1
,
岩田 久
1
,
長谷川 幸治
1
,
濱田 敏彰
1
,
三重野 琢磨
1
,
田中 千尋
1
,
元田 英一
1
,
三浦 隆行
1
Takashi Nishimura
1
1名古屋大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery Nagoya University School of medicine
キーワード:
低リン血症性骨軟化症
,
hypophosphatemic osteomalacia
,
大腿骨頸部骨折
,
fracture of the femoral neck
Keyword:
低リン血症性骨軟化症
,
hypophosphatemic osteomalacia
,
大腿骨頸部骨折
,
fracture of the femoral neck
pp.1315-1318
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900230
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抄録:41歳の男性で,両膝関節痛,下肢脱力,歩行障害を主訴に来院した.既往歴,家族歴には特記すべきことはなかった.X線学的に全身骨に骨粗鬆症がみられ,骨シンチにて肋骨,両大腿骨頭に多発性の骨病変が見られた.悪性腫瘍の骨転移を疑われ,内科的精査を行ったが異常はなかった.X線像で両大腿骨頭に高度の骨萎縮を認めたが,骨頭変形や関節裂隙の狭小化はなかった.全身の腫瘍性病変は見られなかった.低リン血症がみられたが,他の生化学的検査,PTH,カルシトニン,腎機能は正常であった.骨生検にて,類骨の増加,骨梁の不規則,狭小化を認め,成人型低リン血症性骨軟化症と診断した.活性型vit Dの1日3μg投与により臨床症状および血清リンもやや改善したが,経過観察中に脳出血が原因の痙攣発作により両側大腿骨頸部骨折を合併し死亡した.
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