Japanese
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特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
論文
腰椎変性側彎症の病態と神経障害発現に関する臨床的検討
Clinical Studies on the Pathogenesis of Degenerative Lumbar Scoliosis with Caudal and Root Compression
戸山 芳昭
1
,
中村 俊康
1
,
依光 悦郎
1
,
塩尻 邦彦
1
,
赤坂 勁二郎
1
,
平林 洌
2
,
藤村 祥一
2
,
里見 和彦
2
Yoshiaki Toyama
1
1川崎市立川崎病院整形外科
2慶応義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kawasaki Municipal Hospital
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
腰椎変性側彎症
,
degenerative lumbar scoliosis
,
馬尾・神経根障害
,
caudal & root compression
,
高齢者
,
aged patients
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
lumbar canal stenosis
,
腰椎変性側彎症
,
degenerative lumbar scoliosis
,
馬尾・神経根障害
,
caudal & root compression
,
高齢者
,
aged patients
pp.407-416
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900080
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抄録:馬尾・神経根障害を伴う腰椎変性側彎症(DLS)33例を対象に,側彎変形や神経障害発現の病態について検討した.DLSについては,腰椎部における椎間板変性を基盤に生じたCobb 10°以上の症候性側彎変形と定義し,論じるべきことを述べた.DLSは,その変形の形態と神経障害発現の病態から3群に大別された.Type-Iは,L4-L5の椎間板楔状化とL3-L4の側方すべり,その上位に軽度側彎を認める変形で,L4-L5凹側部における神経根障害例が多かった.Type-IIは,中位腰椎部の多椎間板変性に基づく側彎変形で,椎体の回旋による馬尾障害例が多く,Type-IIIはその他型であった.DLSに伴う神経障害発現の病態は,①椎間板楔状化凹側部における神経根障害,②側方すべり椎による馬尾・神経根障害,③椎体回旋に伴う椎間関節亜脱臼による馬尾.神経根障害であった.以上より,DLSを腰部脊柱管狭窄症の中で一つの病態を成す疾患として分類すべきことを提唱した.
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