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特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
論文
腰椎変性辷り症の発生機序について
The Etiology of Degenerative Spondylolisthesis
小田 裕胤
1
,
河合 伸也
1
,
城戸 研二
1
,
田口 敏彦
1
,
伊原 公一郎
1
,
芦田 一郎
1
,
新庄 信英
1
Hirotsugu Oda
1
1山口大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
腰椎変性辷り
,
lumbar degenerative spondylolisthesis
,
椎間関節
,
apophyseal joint
,
発生機序
,
etiology
,
自然経過
,
natural course
,
X線学的検討
,
radiographic evaluation
Keyword:
腰椎変性辷り
,
lumbar degenerative spondylolisthesis
,
椎間関節
,
apophyseal joint
,
発生機序
,
etiology
,
自然経過
,
natural course
,
X線学的検討
,
radiographic evaluation
pp.417-424
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900081
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抄録:腰椎変性辷り症のX線所見では,辷り椎の椎弓角の水平化とともに,下位椎となす椎間関節の矢状化,さらに関節裂隙の狭小,硬化および頭尾側や内外側への著しい増殖性変化など椎間関節を含む後方要素に特徴的所見をみる.かかる後方要素の変性辷り発生に対する関与を検索する目的で,50歳以下の非辷り例のX線学的長期自然経過を調査した.121例の平均19.3年の調査結果から,新たな変性辷りの発生は22例に認められ,女性17例,L420例と,女性のL4に好発していた.発生因子を分析すると変性辷りは椎間関節の形態の安定したX型には1例も発生せず,全て矢状化したM型,W型に認められさらに椎弓角,椎間関節裂隙角とも深く相関することが統計学的にも確認された.そこで椎間関節の形態がM型かW型であり,椎弓角110°以上,椎間関節裂隙角105°以上が変性辷り発生のrisk factorといえ,腰椎変性辷りの発生は予見しうるといえた.
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