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特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
論文
腰椎変性すべり症の症状発現機序と治療法の選択
Pathogenesis and Choice of Treatment on Degenerative Spondylolisthesis
里見 和彦
1
,
平林 洌
1
,
藤村 祥一
1
,
戸山 芳昭
1
,
朝妻 孝仁
1
,
小柳 貴裕
1
,
早川 武憲
1
,
鎌田 修博
1
,
金子 修
1
Kazuhiko Satomi
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
腰椎変性すべり症
,
degenerative spondylolisthesis
,
間欠性跛行
,
intermittent claudication
,
腰椎前方固定術
,
anterior lumbar body fusion
,
下関節突起
,
inferior facet
,
ミエロ後CT
,
CTM
Keyword:
腰椎変性すべり症
,
degenerative spondylolisthesis
,
間欠性跛行
,
intermittent claudication
,
腰椎前方固定術
,
anterior lumbar body fusion
,
下関節突起
,
inferior facet
,
ミエロ後CT
,
CTM
pp.399-406
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900079
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抄録:腰椎変性すべり症(DS)63例の術前ミエログラフィー,CTM,ディスコグラフィー,CTDを検討し,DSの症状発生機序につき検討した.その結果,ミエログラム所見を3段階に,CTM所見を4段階に分類した.すべりの初期には,椎間不安定性による腰痛と,すべり椎の前方偏位による歩行時の下肢痛が出現する(CTM-Stage 1).すべりの進行にともない間欠性破行を呈するようになるが(CTM-Stage 2),これまでの時期には,治療法としてすべりの整復と固定のできる腰椎前方固定術が最適である.ミエログラムで完全狭窄像を呈するGrade 3になると,安静時でも下肢症状が見られるようになる.しかし,CTM上はすべり椎の下関節突起の関与のみの例があり,年齢が65歳以下であれば前方法の適応となる(CTM-Stage 3).一方,すべりの下位椎の上関節突起の関与が強くなった例では(CTM-Stage 4),後方除圧術が必要となる.
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