認定医講座
骨・関節感染症―化膿性骨髄炎,関節炎
浜野 恭之
1
1済生会宇都宮病院整形外科
pp.319-324
発行日 1990年3月25日
Published Date 1990/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900053
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化学療法の発達により骨関節感染症は治療しやすくなり,急性化膿性骨髄炎はもはや致死的な疾患ではなくなった,しかしなお,慢性骨髄炎は手術療法なしには根治できず,又骨関節感染症の病態は変貌し,その診断や治療において,適切な対応がせまられている.
骨関節感染症における変貌としては,①血行性感染の減少と外因性感染の増加,②激症型感染の減少と非定型的発症の増加,③免疫能減弱個体の増加による弱毒菌感染症の増加,などがあげられる.その原因として,社会環境の変化,栄養状態の向上,医療技術の進歩などで,特に化学療法が最大の要因であると考えられる.これに伴って,薬剤耐性菌や菌交代現象などの問題が生じている.
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