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シンポジウム 予防処置導入後の乳児先天股脱
予防処置導入後の乳児先天股脱の成因について―股関節の非対称性開排制限との関連性について
The Etiology of Late-diagnosis Congenital Dislocation of the Hip.: With Reference to the Asymmetrical Limitation of Hip Abduction
増田 達之
1
,
細谷 徹
1
,
島田 幸造
1
,
小原 健夫
1
,
日高 康博
1
,
藤井 昌一
1
,
大村 宗久
1
Tatsushi Masuda
1
1姫路赤十字病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Himeji Red Cross Hospital
キーワード:
乳児先天股脱
,
late diagnosis CDH
,
股関節の非対称性開排制限
,
asymmetrical limitation of hip abduction
,
成因
,
etiology
,
周産期要因
,
perinatal factors
,
斜頭
,
plagiocephaly
Keyword:
乳児先天股脱
,
late diagnosis CDH
,
股関節の非対称性開排制限
,
asymmetrical limitation of hip abduction
,
成因
,
etiology
,
周産期要因
,
perinatal factors
,
斜頭
,
plagiocephaly
pp.268-275
発行日 1990年3月25日
Published Date 1990/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900045
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抄録:乳児先天股脱の成因と脱臼を伴わない非対称性開排制限との関係を知る目的で,1984年から4年間に当院で出生した3053例の中で認められた乳児先天股脱21例(0.7%)と開排制限540例(17%)を中心に検診結果と追跡結果(最長5年,平均1年6カ月)を調査分析した.乳児先天股脱は5例が脱臼,16例が亜脱臼であり前駆症状として95%に開排制限を認め,その程度は66%が10°以下であり完全脱臼は全例10°以下であった.一方,開排制限の95%は自然治癒し,5%に乳児先天股脱が発症した.しかし周産期要因の分析と臨床像から乳児先天股脱の成因に開排制限は関与せず遺伝的因子と生後環境因子の関与を認めた.一方,開排制限を先天性と後天性に分類し同様の検討をした結果,その成因として前者は母体内環境因子と遺伝的因子が関与し,後者は生後環境因子が主に関与していた.乳児先天股脱の診断には前駆症状である開排制限をその程度にかかわらず検出する事が必要である.
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