Japanese
English
論述
先天性筋性斜頸の長期予後
Long-Term Sequelae of Congenital Muscular Torticollis
野口 康男
1
,
井原 和彦
1
,
杉岡 洋一
1
,
大石 年秀
2
Yasuo Noguchi
1
1九州大学医学部整形外科
2三信会原病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyusyu University
キーワード:
筋性斜頸
,
muscular torticollis
,
遺残変形
,
residual deformity
,
顔面非対称
,
facial asymmetry
,
斜頭
,
plagiocephaly
Keyword:
筋性斜頸
,
muscular torticollis
,
遺残変形
,
residual deformity
,
顔面非対称
,
facial asymmetry
,
斜頭
,
plagiocephaly
pp.267-270
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901317
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抄録:筋性斜頸は自然治癒率が高いが,その長期予後の研究は少ない.今回我々は,当科を昭和50年以降に生後3カ月以内で受診し,徒手筋切り術を施行することなく経過観察し1歳6カ月以上となっている203例について追跡調査を行なった.このうち1歳以後まで経過観察されていた97例のうち17例が手術を受けており,手術を要する割合は10~20%程度と推定された.また,今回追跡調査可能な68例について遺残変形を検討したところ,矯正可能な2°以上の斜頭位45%,2°以上の顔面の側彎33%,斜頭指数0.95以下の斜頭変形61%,5mm以上の頭部の側方変位39%など,斜頸のなごりを示す症例がしばしば見られ,筋性斜頸では高率に変形を遺残することが明らかとなった.しかしながら,その約半数は本人や家族には認識されておらず,あまり支障とはなっていなかった.
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