増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス
column
よく聴く,よく診る,よく触る
酒井 昭典
1
Akinori SAKAI
1
1産業医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, University of Occupational and Environmental Health, Japan
pp.685
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202678
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日本医師会の日医NEWS(第1026号,平成16年)に作家の曽野綾子さんが書かれていた「今,眼の前にいる患者」という題名のコラムが,私はとても印象に残っています.「機械を治す場合には機械を知らねばならないように,人間を治すには人間を知り,人間との付き合い方に長けていなければならない.しかし問題なのは,昨今,病気は学んでも,人間を学ばない医師が多過ぎるということだ」「腹の立つ患者をどう扱うか,に関して,ドクターたちに一つ有益な方法をお知らせしようかと思う.私たちカトリック教徒は,神がどこにいるかを考える.(中略)それは,神は,今我々が相対している人の中にいるということだ.VIP患者としてやって来た大臣の中にもいるが,不潔な服を着て意識不明で運び込まれて来たホームレスの中にもいる.だから医師は誰に対しても同じ丁重さと優しさを持って接するのが当然なのだ.(中略)毎日,患者の数だけ姿を変えて現れる神と会い続けられる職業だと考えると,やはり医師という仕事は飛び抜けてすばらしいものである」と書かれています.
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