連載 研修医に贈る 小児を診る心得・6
子どもを一番よく知っている人の話を聴く
加藤 英治
1
1福井県済生会病院小児科
pp.2424-2425
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200200
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日本総合研究所の全47都道府県幸福度ランキング2014年度版と法政大学大学院坂本教授による2011年の幸福度ランキング調査で,福井県は幸福度が全国ナンバーワンでした.福井県に住んでいる私には何故第一位なのか不思議な気もしますが,福井県に働く女性が多いこと,三世代同居が多いことは間違いありません.母親は子育ての中心にいるので,家の中で子どものことを一番よく知っているのが普通です.しかし,私の周囲では,仕事で家を空けている母親に代わっていつも家に居る祖父母が子どもの世話をしているので,親よりも祖父母のほうが子どものことをよく知っている家庭をしばしば見かけます.
当院が完全週休2日制でなかった時に,近隣の病院は土曜日が休診だったので,土曜の午前半日の外来に多くの患者が来院しました.その当時の話です.拒食症を疑って父親が土曜日に中学1年生の娘を連れて当科を初診しました.その日は受診患者が多く外来はてんやわんやでした.父親から聴取した病歴は次のようなものです.
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