最新基礎科学/知っておきたい
立位CTによる下肢関節機能評価
名倉 武雄
1
,
金田 和也
2
,
山田 祥岳
3
,
陣崎 雅弘
3
Takeo NAGURA
1
,
Kazuya KANEDA
2
,
Yoshitake YAMADA
3
,
Masahiro JINZAKI
3
1慶應義塾大学医学部運動器寄附研究講座
2慶應義塾大学医学部整形外科学教室
3慶應義塾大学医学部放射線科学教室(診断)
pp.1498-1500
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202211
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はじめに
運動器疾患の診断には単純X線撮影が,依然gold standardとして用いられている.とりわけ整形外科において取り扱う運動器疾患においては,臥位ではなく立位での撮影により,病態や診断がより明確となるものが多い.これは立位または荷重位にすることで,脊椎・関節がより生理的な位置となり,症状・病態を反映するためである.そのため立位CT検査が可能となれば,有用性は極めて高く,従来のX線に取り替わる画期的な診断装置となり得る.
このような背景をもとに,われわれは2013年より東芝メディカル(現・キヤノンメディカルシステムズ)と全身用立位CTの開発に着手した.既存の320列CT(Aquilion ONE)を改良することで動態撮影も可能なプロトタイプを開発し,2017年5月より慶應義塾大学病院に導入した1).本稿では全身用立位CTの紹介,および関節機能評価の例として下肢アライメント評価について述べる.
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