増大号特集 整形外科 外来・当直 エマージェンシーマニュアル
外傷編
骨盤の外傷
骨盤外傷の患者のみかた
神田 倫秀
1
Norihide KANDA
1
1岐阜大学医学部附属病院高次救命治療センター
pp.602-604
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202027
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骨盤外傷の解剖学的特徴
骨盤を構成する骨形態は左右の寛骨と中央の仙骨から作られており,左右の寛骨を前方では恥骨結合として,後方は仙骨と寛骨が仙腸関節として連結し環状構造を形成している.
仙骨は左右の寛骨に挟まれていて,X線画像のoutlet viewでは石橋のkey stoneのように骨性安定性があるようにみえる(図1a).しかし,inlet viewでは仙骨の形状がkey stoneとは逆で前方が開いているため,骨盤骨のみでは脊椎からの荷重負荷に対して仙骨は前方に押し出されるように転位する(図1b).
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