Japanese
English
特集 骨折に対する積極的保存療法
基礎編
骨粗鬆症治療薬が骨折治癒過程に及ぼす影響
Effects of Osteoporosis Treatment Drugs on Fracture Healing Process
真柴 賛
1
Tasuku MASHIBA
1
1香川大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kagawa University Faculty of Medicine
キーワード:
骨折治癒
,
fracture healing
,
骨質
,
bone quality
,
骨力学特性
,
bone mechanical properties
,
ビスフォスフォネート
,
bisphosphonate
,
PTH
,
parathyroid hormone
Keyword:
骨折治癒
,
fracture healing
,
骨質
,
bone quality
,
骨力学特性
,
bone mechanical properties
,
ビスフォスフォネート
,
bisphosphonate
,
PTH
,
parathyroid hormone
pp.233-240
発行日 2021年3月25日
Published Date 2021/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201933
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骨粗鬆症治療薬投与中の患者が骨折を生じる機会は決して少なくなく,骨折治癒を考慮した薬剤選択は今後ますます重要になってくると考えられる.骨吸収抑制剤は骨癒合を妨げることはないが,骨癒合した後の骨折部形状および仮骨の骨質復元に関しては,吸収抑制作用の程度に応じて遅延する可能性が高い.特にビスフォスフォネートは骨折部仮骨の著明な増加により骨折部の強度を増加させるものの,強力な仮骨リモデリングの抑制によって仮骨の成熟は遅延しており,骨折治癒過程の遅延を仮骨量で代償していると考えられる.一方,骨形成促進剤であるPTHは仮骨リモデリングを促進し,線維骨から層板骨への置換のみならず,皮質骨のオリジナルな形状への復元も加速し,健常な骨折治癒過程を促進すると考えられる.
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