連載 やりなおし! 医療制度 基本のき・9
ロコモフレイル
藤野 圭司
1
1藤野整形外科医院
pp.1076-1077
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201802
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2007年日本整形外科学会から提唱されたロコモティブシンドローム(ロコモ)はその後,関連団体の精力的な普及活動により国民認知度が2018年には48.1%まで増加した.しかし2019年には44.8%と減少し目標の80%にはいまだ遠く及ばない.そんな中,2014年に日本老年医学会よりフレイルという概念が新たに登場した.
どちらも放置すれば要介護となる危険性の高い者を早期に発見し,適切な介入を行うことにより要介護状態となることを少しでも遅らせ健康寿命を延伸することが目的である.ロコモは運動機能,特に健康寿命にとって最も重要である移動能力に着目した概念であり,対象者は小児期から高齢者まで全世代にわたる.それに対しフレイルは65歳以上の高齢者の身体,精神,社会的要因を含む大きな概念である.しかし身体的フレイルはロコモと共通点が多く,ロコモ該当者が高齢になれば身体的フレイルの状態ともいえる.またロコモによる身体的な衰え,移動能力の低下は社会生活に支障をきたし,精神的衰えを加速し,放置すればフレイルにいたる危険性が高い.それぞれに詳しい判定基準があるが今回は紙面の都合で割愛する.
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