最新基礎科学/知っておきたい
共振周波数解析装置による新しい人工股関節カップ設置強度評価法
菊池 駿介
1
,
三上 勝大
2
,
中島 大輔
1
Shunsuke KIKUCHI
1
,
Katsuhiro MIKAMI
2
,
Daisuke NAKASHIMA
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2近畿大学生物理工学部医用工学科
pp.722-725
発行日 2020年6月25日
Published Date 2020/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201723
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本邦では毎年約50,000人の患者が人工股関節置換術を受けており,今後も増加傾向であると予測されている.今後,件数の増加および高齢化に伴い多数回手術や脆弱骨に対する手術など厳しい条件下の手術も増加すると考えられるが,①術中骨折や,②術後初期のインプラントのゆるみ,③人工股関節カップ設置時のスクリュー血管穿破などの合併症が,このようなハイリスク手術で多く発生することが報告されている1).カップを例にした場合,これらの合併症には,①骨折は,設置強度がわからないことによる過剰な打ち込み操作,②ゆるみは十分な設置強度が得られていないこと,③血管穿破は設置強度に自信がないケースで使用するスクリューが関連する2).したがって,これらの合併症予防には,まずそもそものインプラント設置強度を誰もがわかる形で定量的に評価する手法の確立が求められる.
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