その痛み，がんの痛みですか？—がん診療に運動器マネジメントが欠かせない理由

Management of Musculo-skeletal Disorder for Cancer Patients

　がん生存者の増加と高齢化，がん治療の外来移行，看取りの在宅移行に伴い，がん患者の移動能力の維持・向上が重要となってきており，がんロコモが提唱された．これには運動器のマネジメントが重要で，骨転移による骨関連事象の予防のみならず，がん患者におこるがん由来，がん治療由来，そして併存した運動器疾患について適切に対応することが重要である．がん患者の運動器障害，疾患に対して運動器専門科である整形外科医が適切に対応することで，がん患者の移動能力，ADLを向上し，治療機会の獲得やQOLの向上へとつながるものと考えられる．