連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・6
アセトアミノフェン・ステロイド・ノイロトロピン
三木 健司
1
Kenji MIKI
1
1大阪大学大学院医学系研究科疼痛医学講座早石病院疼痛医療センター
pp.272-275
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200774
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アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは,1873年に米国の生化学者であるHarmon Northrop Morseが合成に成功し,空腹時でも飲める鎮痛薬として,欧米および本邦においても一般用医薬品(OTC drug:over the counter drug)として広く普及している.
疼痛発現の機序ははっきりしていないが,最近では,アセトアミノフェンは,まず肝臓でp-アミノフェノールに代謝され,脳,脊髄に移行した後,AM404となる.AM404はカンナビノイド(CB)1受容体のリガンドであるとともに,アナンダミドの細胞内取り込みを阻害し鎮痛作用をもたらすと考えられている1).
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