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Lecture
臨床研究における最近の統計手法の進歩とPits and Falls—前編:観察研究におけるバイアス対策の諸手法
The Latest Statistical Progresses and Pit-falls in Clinical Research : Methods to Reduce the Effects of Bias in Observation Studies
小栁 貴裕
1
Takahiro KOYANAGI
1
1川崎市立川崎病院整形外科
キーワード:
一般化線形モデル
,
generalized linear model
,
傾向スコア
,
propensity score
,
操作変数
,
instrumental variable
Keyword:
一般化線形モデル
,
generalized linear model
,
傾向スコア
,
propensity score
,
操作変数
,
instrumental variable
pp.59-67
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200726
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観察研究においてはさまざまなバイアスが混入し,その封じ込めが研究の評価を決定するといっても過言ではない.バイアスの対処には無作為化比較試験(RCT)が至高の方法であることは論を俟たない.しかし,リソースやコストの問題,そしてより高いハードルである倫理上の問題(人権,情報公開,機会損失を含めた有害事象,同意とその撤回権の説明,個人情報の庇護)は,医療サイドに大きな負担となる1).われわれは一般診療においてはさまざまな因子を瞬時に総合的に判断して介入を行っているが,同じ疾患でも重症では積極的介入を行い,軽症では経過観察を含めた消極的介入のケースが多くなる.単純に介入後の成績だけを検討すれば,積極介入群に不利である.医療の自然な流れにおいて,介入や暴露という因果が結果に及ぼす影響を解明(推論)できないかが今回の主題である.それぞれの手法の意義と欠点につき言及する.
これらの手法は厳密には解析の過程で共変量選択,マッチング条件など恣意的要因の混入が避けられず,しばしば複数の手法が併記され,ビッグデータでは検定結果が類似する.
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