Japanese
English
Lecture
整形外科医のためのH. pylori関連疾患とNSAIDs潰瘍の治療と予防
Treatment and Prevention of H. pylori Related Disease and NSAIDs Ulcer for Orthopaedic Surgeons
蘆田 潔
1
,
福知 工
2
,
山下 博司
3
Kiyoshi ASHIDA
1
,
Takumi FUKUCHI
2
,
Hiroshi YAMASHITA
3
1洛和会音羽病院消化器病センター
2医誠会病院消化器内科・内視鏡センター
3済生会中津病院消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター・ピロリ菌
,
Helicobacter pylori
,
NSAIDs潰瘍
,
NSAIDs ulcer
,
酸分泌抑制
,
acid suppression
Keyword:
ヘリコバクター・ピロリ菌
,
Helicobacter pylori
,
NSAIDs潰瘍
,
NSAIDs ulcer
,
酸分泌抑制
,
acid suppression
pp.49-57
発行日 2017年1月25日
Published Date 2017/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200724
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はじめに
上部消化管疾患の治療を考えるうえでHelicobacter pylori(H. pylori)感染の有無は重要である.この細菌はミイラ(アイスマン;5,300年前に氷づけになったミイラ)の胃にも認められたように,人間と共存する微生物としては最古の部類に入るとされている.しかし,この細菌が分離・培養されたのは1982年であった.胃酸はpH1〜2の強酸であり,この酸による殺菌作用により胃内で細菌が住み続けることは不可能であると信じられたことも発見が遅れた原因であろう.H. pyloriの発見以降には急速に研究が進み,胃炎,胃潰瘍との密接な関係が明らかになり,1994年にはWHOがH. pylori感染は胃癌のdefinite carcinogenであると認定した.それゆえ,上部消化管疾患を考えるうえで常にH. pyloriを考慮しておく必要がある.本稿では整形外科医に知ってほしい胃疾患の治療と予防について述べる.
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