連載 慢性疼痛の治療戦略 治療法確立を目指して・3
臨床現場における運動器慢性疼痛管理—鎮痛薬物療法の位置づけ
今村 寿宏
1
,
岩本 幸英
2
Toshihiro IMAMURA
1
,
Yukihide IWAMOTO
2
1独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院勤労者骨・関節疾患治療研究センター
2独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院
pp.1138-1143
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200698
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はじめに
われわれ整形外科医にとって,運動器慢性疼痛治療薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)一辺倒であった.最近,オピオイド,抗痙攣薬,抗うつ薬など,さまざまな鎮痛薬や鎮痛補助薬などが適応追加になり,われわれにとってもNSAIDs以外の治療選択肢が増えた.しかしながら患者によって鎮痛効果が得られる薬剤の種類や用量は全く異なっており,疼痛緩和治療において難渋することも多い.患者の年齢,社会的背景,疼痛が起こる時間帯,併存病なども1人ひとり異なるので,患者背景を考慮する必要がある.
薬物には必ず副作用がある.ゆえにそれぞれの薬剤の特徴を再度見直し,副作用をできるかぎり軽減する必要がある.さらに副作用を減らすために処方する薬剤自身に副作用があることも再認識する必要がある.今回,鎮痛薬物療法に関し日頃の臨床現場を通じわれわれが留意しておきたいと思われることを述べる.
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