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あとがき
金谷 文則
pp.892
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200641
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この原稿を書いている7月末の沖縄は暑いと思われる人もいるでしょうが,最高気温がニュースになる関東圏に比べると海風がある分,過ごしやすく感じます.今年は台風がまだ2つしか発生していません.観光シーズンに台風は困りますが,沖縄は夏に降雨が少なく台風が来ないと水不足になることがあり,また海水の攪拌が起こらず珊瑚の白化現象を生じるため,夏の台風はある程度必要です.高気圧の影響により7〜8月の台風は先島諸島から東に進み,10月の台風は西に進むことが多いようです.南シナ海の諸問題も台風一過で解決するとよいのですが.
本号の誌上シンポジウム「THAのアプローチ」は長崎誠先生の素晴らしい企画です.以前であればTHAには後方アプローチが,TKAには内側傍膝蓋アプローチがスタンダードでしたが,近年,低侵襲を目的としてDAAをはじめとする各種のアプローチが報告されています.DAAやAL-supineアプローチは低侵襲ですが,視野が小さく習熟を要します.一方,後方アプローチは十分な視野が得られることから,ほとんどすべての病態に対処でき,後方支持組織の修復により,欠点であった後方脱臼が減少することが報告されています.アプローチの選択は患者の病態,手術適応そして術者の好みと習熟度によります.本シンポジウムには手術適応ばかりでなく手技も詳述されています.
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