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あとがき
金谷 文則
pp.1142
発行日 2015年11月25日
Published Date 2015/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200390
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今年の夏は例年に比べて暑い日々で始まりましたが,その後は台風の影響か日本各地で大雨や豪雨が続き,記録的に日照時間が短くなったようです.この原稿を書いている途中の9月18日に発生したペルーの地震による津波がわずか1日で日本に達しました.ペルーの海水が日本に達したのではなくエネルギーの波動が日本に届いたと考えれば納得ですが,その早さには驚きました.沖縄はまだ暑い日が続いていますが,9月になると学会で訪れた内地では朝夕は肌寒く,秋の訪れを感じております.10月からは新専門医制度の病院群作りが始まります.臨床研修制度は厚生労働省の思惑と異なり,都会に研修医が集まり地方の医療が疲弊・崩壊しました.官僚は優秀な人が集まっているはずですが,臨床研修制度ばかりでなく年金データの流出や消費税軽減措置に対する対応など,あまり賢さを感じません.机上ばかりでなく,現場を知ることが重要との印象を受けました.
今回の「視座」はエビデンスについてです.私も日整会ガイドライン委員会の委員長を務めていましたので,日常診療で行っている多くの診療行為に推奨度Grade I(エビデンスがない)を付けざるを得ず,少なからず忸怩たる思いを持ってました.一方,当然と思って行っていた手指滅菌時の滅菌水の使用に有用とのエビデンスがなく,水道水でも十分なことが明らかにされたことは,EBMによる成果の1つです.私たち整形外科医も自らエビデンスを作ってゆくことが大事だと思います.
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